むかしむかし、ここ川崎矢向の地は縄文の森でした。その後は田んぼとなり、そして半導体のテスト工場が建てられました。しかし、2002年には親会社の撤退で工場は閉鎖になります。そこで思い切って、もう一度この地を原点である縄文時代に戻してみることにしたのです。
まず、足元を深く掘りましたら、40℃近くの高張性の天然温泉が噴出したのです。地下深くに眠っていた太古からの化石海水の湯です。この場所に現代人の生きる力を再び呼び起こす温泉を創ろう。―そのために日本中の古くからある温泉を巡りました。
日本の秘湯を巡るうちに、九州・黒川温泉で後藤哲也氏に出会い、私たちの目指す温泉のモデルはここだ、と感じました。そして和の原点、縄文の心を形にしてみようと思ったのです。そうすることが日本を美しくすることになるのです。
後藤哲也氏の指導のもと、建物の工事よりも先に、まず何よりも露天を創りました。信州八ヶ岳から230トンの安山岩を運び、九州・飛竜野山頂からコナラなどの自然木を運び、植えました。建物の柱や天井には、かつて工場を支えていた太い柱や細い木材をも大切に使いました。
都会に古里をモットーに、一人ひとりの生命力をとり戻そう。そんなこだわりをこめて創り上げた「志楽の湯」。温泉の原点に戻って、素朴でダイナミックな風呂作りを試みました。太古の湯にただ浸り、自然の岩に腰掛け、小川のせせらぎの音を聴いて下さい。
きっと、縄文パワーはあなたにげん氣をとり戻してくれることでしょう。