志楽の湯メイキングストーリー
-
柳平
-
実は「志楽の湯」を造るにあたって、日本中の温泉を見て回ったんです。正直、首を傾けざるを得ない施設も多い中で、黒川温泉だけは違った。私たちのお手本はここだと思いました。それで黒川を再生させた後藤さんに、ぜひお力添えをいただこうと・・・。
-
後藤
-
ご熱心に、何度もいらっしゃいましたなあ。柳平さんの「志」という言葉につき動かされて、僕も協力せんといかんと思うたですねえ。
-
柳平
-
人の言氣(元氣)を勇気づける素朴さとダイナミズム、黒川には和の原点、縄文の心が息づいている。それを都会で実現したいという無理な注文に応えていただきました。
-
後藤
-
やるとなれば、僕も徹底的にやります。縄文の里、八ヶ岳山麓の安山岩を鑑(み)に行ったり、自然の木を持ってきたり。それを根付かせるには春に植えんといかんちゅうことで、建物より先に露天風呂を作ったことなど、僕もやりがいがありますよ。
-
柳平
-
自然木や岩と石の配置、建物に至るまで、後藤さんのアドバイスを最大限に生かしています。なるほどと感じ入ったのは、石にしても木にしても、良いものだけを集めてはいけない。姿形の悪いものも一緒に配置してこそ自然なんですよね。
-
後藤
-
とりわけ建物は平屋じゃないといかんという意見を受け入れてくれたことに、柳平さんの心意気ば感じたっですよ。効率だけ考えたら二階建て、三階建てにしたほうがいいのに、そうはせんかった。
-
柳平
-
効率より何より都会に古里を作るという目的を見失わずにすんだのは、後藤さんのおかげです。師として今後とも志楽の湯を見守っていただけたらと思います。
-
1.九州・阿蘇の山から移植される自然木
-
2.大型トレーラー6台で運れてきた230トンもの安山岩
-
3.現場で指揮を取る後藤氏
-
4.後ろに見えるのはこれから取り壊される工場の建物。撤去工事の前に露天風呂の工事が進められた
-
5.石はレイアウトしたというよりも、そこに前からあったという感じに置かれている。まるで昔からそこに露天風呂があったよう
-
6.移植されたコナラの木々